人は、快適な生活を送るために、地球の環境に大きな変化を起こしてきました。現在、それが、さまざまな問題を生み出しています。その問題の1つが環境汚染です。その環境汚染に対しての有効な対策として、微生物による浄化作用(バイオレメディエーション)が期待されています。
バイオレメディエーション
大昔から、自然を守る力が地球には備わっています。それは、微生物や植物が物を分解する仕組みです。これを自浄システムと呼びます。
バイオレメディエーション(Bioremediation)はこの自浄システムを利用して、土や水の中の汚染物質をきれいにしようとする技術のことです。この技術は、アメリカの「ジョージ・ロビンソン」によって1960年代に開発されました。
具体例
例えば、海で大きな船が事故を起こして、その燃料である油を流出させたとしましょう。油は、海に住むいろいろな生物にとって、毒になります。しかし、流出してしまった油は、海のいたるところに広がっていきます。このような時、人が回収するのはとても大変です。こんな時に、バイオレメディエーションの力があれば、油を分解させることで、無害化することができます。
日本では
日本では、分解の役割を光合成細菌にまかせ、環境を浄化させる方法が、1970年代の前半に開発されました。光合成細菌は太陽の光のエネルギーを利用して、物を分解します。そのため、他の微生物よりも余分なエネルギーが少なくて済みます。光合成細菌は、とても優秀な分解担当として役立っています。
日本での具体例
畜産など、食品工場からの排水には、汚染物質となる有機化合物がたくさん含まれています。その水質改善の実験が、京大と東大の合同研究で行われました。