カロテノイド

光合成細菌は、さまざまな物質を作ります。カロテノイドもその１つです。カロテノイドは、微生物や動植物に含まれる赤、黄、橙などの鮮やかな色の天然色素のことです。今回はカロテノイドについてご紹介します。

カロテノイドは、野菜、果物、鯛、鮭、エビ、カニなどの赤系統の色を持つ動植物に含まれています。また、カナリア、キンカチョウ、フラミンゴなどの鳥類の赤色もカロテノイドによるものです。植物と一部の細菌はカロテノイドを自分自身の体内で作ることが出来ますが、動物の場合は食べることでカロテノイドを持つことが出来ます。

カロテノイドは、カロテンとキサントフィルの2種類のグループに大きく分けられます。
カロテンは炭素と水素のみでできています。キサントフィルは炭素と水素の他に酸素が含まれています。

役割は2つあります。１つは光エネルギーを吸収してクロロフィルへ送ること、もう１つは光エネルギーが強すぎる場合、それを吸収して細胞を守ることです。カロテノイドは、細菌や植物の光合成にかかわる重要な役割を果たしています。

人や動物における代表的な役割は、抗酸化作用です。体の中の活性酸素を中和したり、紫外線から守る働きをします。

カロテノイドは、健康食品・サプリメント・天然着色料などに使われます。効果としては、優れた抗酸化作用があげられます。

カロテノイドは体の中の活性酸素を中和する働きがあります。生活習慣病に罹るリスクを低下し、酸化作用による老化の防止などのアンチエイジングの分野で活躍しています。

カロテノイドの製造法は、カロテノイド色素を含む藻類、あるいは植物から、取り出す方法が主になります。光合成細菌の一種、ロドバクター・スフェロイデス（Rhodobacter sphaeroides）からβ-カロテンを大量生産する方法も研究されています。