LPSはリポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)の略で、通常は「リポ多糖」と呼ばれます。

他にも「糖脂質」、「内毒素」、「エンドトキシン」などとも呼ばれます。
近年では健康を守ってくれる成分として大きな注目を集めており、実は光合成細菌ともつながりが深い物質でもあります。今回は「LPSの成分について」をご紹介します。
【LPSについて】もご覧ください。

LPSの成分

栄養素には、身体を作り、エネルギーの源になる「三大栄養素」とよばれる、「糖質」「脂質」「タンパク質」があります。
LPSの成分は、わかりやすい例で説明すると、「お砂糖」と「油」が合体したような「糖脂質」と呼ばれるグループに含まれます。

LPSの「脂質」の部分は「リピドA」といいます。「糖質」の部分は、2つの部分に分かれ、「O抗原」、「コア多糖」といいます。LPSの構造は、LPSを作る細菌の種類によってまちまちで、「O抗原」がなくて、「コア多糖」と「リピドA」だけで作られているLPSも存在します。

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LPSはどこに存在するのか

グラム染色という分析法で赤く染まる細菌をグラム陰性菌と呼ぶことは、【見えない細菌を可視化する】の記事で紹介しましたが、LPSは、このグラム陰性菌特有の成分です。その体の一番外側にある外膜に含まれます。

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LPSが細菌の形を保つ

大腸菌サルモネラ菌などの外膜にはLPSが多く含まれており、外膜のおよそ75%がLPSで出来ています。
LPSの役割は、外膜を安定させて菌体の形を保つことです。
ヒトの皮膚や内臓の形を支えるコラーゲンの働きによく似ています。LPSが変質すると膜が不安定になり、菌体は崩れてしまいます。

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