病気の土とは

健康とは、人にも、動物にも、植物にも、そして私たちの住んでいる土にとっても大切なことです。土にとっての健康について、考えてみましょう。

土で畑を作り、植物を育てるのが農業です。作物をより多く、より綺麗に、そしてより簡単に育てるために、「肥料」・「害虫の駆除薬」・「雑草の駆除薬」などの農薬が開発されてきました。現在では、効果が高くて安い肥料である「化成肥料」、化学薬品である「殺虫剤」や「除草剤」が農業では欠かせなくなっています。

現在の農業の状況を人に置き換えて考えてみましょう。この状況は、いつも病気にならないように、良く効く強いお薬を飲み続けているような状態であると言えます。この状態を続けていると、逆に体が弱ってしまうことが簡単に想像できますね。

農薬は雑草や害虫を簡単に取り除けます。ただ、必要以上に多くの量を使ったり、間を開けることなく使うことで、土の中にもともと住んでいた「微生物」たちを殺してしまいます。それは、土の健康を損なうことになります。

化成肥料には即効性があり、安定した品質の作物が採れやすく、重くないので、簡単に土にまくことができるなど、良いところがたくさんあります。しかし、使いすぎることで、農薬と同じように土の中の微生物に被害を与えます。それは、土の健康を損なうことになります。

農薬や化成肥料を使うことは悪いことではありませんが、「多く使うこと」、「ずっと使い続けること」で、土を病気にしてしまいます。その点に気を付けて、自然由来の堆肥や有機肥料もおりまぜながらの、土にやさしい農業が必要だと言えます。