エネルギーの源(ATP)
すべての生物は、ATP(アデノシン三リン酸)という物質を体内で作ります。このATPという小さな分子の塊を分解することで生まれるエネルギーが、すべての生物の生命活動の源になります。
具体的に言うと、細胞の中のいろいろな化学反応をうながし、嗅いや味を感じる、あるいはDNA(遺伝子)の複製まで、あらゆることにATPは使われます。エネルギーと交換できるお金のような働きをするので、「エネルギー通貨」と呼ばれることもあります。
ユビキノンとは
別名を、コエンザイムQ10(CoQ10)と言います。
ユビキノンの存在と働き
エネルギーの源であるATPを作るときに、ユビキノンが原料となります。ユビキノンは、動植物の細胞(ミトコンドリア)、光合成細菌の細胞膜のタンパク質内部に存在しています。人の体内では、心臓、肝臓、腎臓、膵臓に高濃度に存在します。人は、体を動かすために「電子」の受け渡しを行いますが、その電子の受け渡しを行う補酵素の中の一つでもあります。
ユビキノンは、エネルギーの源を作り、そして動かすための「電子」の受け渡しも担当する、とても重要な物質であると言えます。
薬として
ユビキノンは、心不全などの医薬品として長く使われてきました。しかし、医薬品としての効能については、アメリカなどでは疑問視されていました。現在では、主に機能性成分として、サプリメントや健康食品に応用されています。
効能
体内の細胞の酸化による「老化」や「動脈硬化」などを予防する効果が期待できます。同じような効果をもつ成分としては、ビタミンEやカロテノイドなどがあります。アンチエイジングの分野では「コエンザイムQ10」という別名のほうが、有名です。