5-ALA応用編

細菌や微生物も私たちと同じように生きています。その生活の中で、彼らはさまざまな物質を作り出します。例えば、抗生物質のペニシリンもその１つです。 では、光合成細菌はどのような物質を作り出すのでしょうか？光合成細菌の作り出す物として、「5-ALA」という物質が、今、注目をあびています。

5-ALAは「5-アミノレブリン酸」の略で、アミノ酸の一種です。光合成を行う細菌や微生物・植物、また血液を持つ動物の細胞の中で作り出されるものです。「生命の根源物質」とも呼ばれます。

畑に散布すると作物のクロロフィル（葉緑素）の生産に効果を発揮します。それにより、生育促進や豊作などの効果が期待できます。

人間や動物が摂取すると、細胞（ミトコンドリア）の活性化が促進されます。肌の若返りなどのアンチエイジングを目的として、健康食品、化粧品などに使われています。

ニキビなどの皮膚の疾患、リウマチやアレルギー性鼻炎などの自己免疫疾患に使われています。 また、光増感剤（ひかりぞうかんざい）として、がんの手術中にそれを可視化して手術を進めやすくする手法、PDTで使われています。

コスモ石油株式会社は、光合成細菌の一種の「ロドバクター・スフェロイデス」の変異株を作り、それを大量培養することによって5-ALAを大量生産する技術を開発しました。この菌の最大の特徴は、「病原性が無い」・「扱いやすい」・「大量培養しやすい」ところです。以前、コエンザイムQ10（ユビキノン）の大量生産をするために使われた実績もあります。