私たちが「発酵」と聞くと「味噌、醤油、チーズ、ヨーグルト」などの食品を思い浮かべることが多いでしょう。実は「発酵」に、このサイトの主「ぴーちゃん」がかかわっているものもあります。今回はこの発酵の応用についてお話ししたいと思います。

発酵の応用

発酵食品は、微生物が発見される前から作られていましたが、そのころは職人の経験と勘に頼るところが大きく、一定の品質で発酵食品を製造することは困難でした。

職人の勘が大事だぜ

発酵の歴史

デンマークのビール工場の技師「エミール・クリスチャン・ハンセン」は、「パスツール」という研究者の研究の成果に着目し、酵母菌を単独で選り分け、純粋培養することに成功しました。
彼は、1883年に意図的に酵母を加えて発酵させ、いつでも高品質のビールを製造できる技術を世界で初めて開発し、発酵を工業に用いるきっかけを作りました。

いつでも高品質のビールが製造できる

発酵の工業的な発展

明治時代の文明開化により、日本でも伝統的な発酵食品において、生産技術が開発されていきました。たとえば、東京帝国大学農学部の「矢部規矩治(やべきくじ)博士」は、1894年に「納豆菌」を、1895年に「清酒酵母」を抽出することに成功しました。

納豆については、稲わらの中の納豆菌を抽出して純粋培養に成功したことにより、稲わらを使わずパックを使って発酵させることが可能になり、大量生産できるようになりました。 「麹菌酵母乳酸菌など」の複数の微生物による発酵が、絶妙のハーモニーを奏でて作られる「日本酒」は、その発酵の仕組みが解明されることで、食品工業として発展していきました。

発酵を利用した様々な技術は、エネルギー分野での応用が出来ることもあり、研究開発が盛んにおこなわれています。例えばアルコール発酵によるバイオエタノール生産、メタン発酵によるバイオガス生産などはその代表的なものでしょう。

光合成細菌の場合は?

もしも光合成細菌発酵食品に応用するとしたらどうなるでしょう?実は、光合成細菌はアミノ酸核酸塩基、ビタミン類を作り出す発酵力が注目され、菌体そのものを食する「微生物タンパク(SCP)」の素材として、一時期研究開発されていました。 アミノ酸や核酸塩基は「うま味」の素なので、加工の方法を工夫すれば旨味の効いた調味料になるかもしれないと思ったのでしょう。

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