バイオセーフティーレベル(BSL)
細菌には、「良い菌」と「悪い菌」がいることは、良く知られていると思います。それを病原性や感染症の観点から、レベル分けして、わかりやすく数値化したのが、バイオセーフティレベル(BSL)です。
微生物の病原性は、環境によって左右される部分があり、それは国によっても異なります。そのため、BSLは世界保健機関(WHO)のリスク分類をもとに、各国の担当機関が定めることになっています。日本では、国立感染症研究所と日本細菌学会がBSLを定めています。
WHOによるリスク分類
WHOは微生物の病原性の危険度に合わせて、実験室バイオセーフティー指針の中でBSL1-4のグループに分ける基準を作っています。
リスク群1(BSL1)
ヒトや動物に疾患を起す可能性の無い微生物。
リスク群2(BSL2)
ヒトや動物に疾患を起す可能性はあるが、実験室職員、地域社会、家畜、環境にとって重大な災害となる可能性のない病原体。
リスク群3(BSL3)
通常、ヒトや動物に重篤な疾患を起すが、通常の条件下では感染は個体から他の個体への拡散は起こらない病原体。有効な治療法や予防法が利用できる。
リスク群4(BSL4)
ヒトや動物に重篤な疾患を起し、感染した個体から他の個体に、直接または間接的容易に伝播され得る病原体。通常、有効な治療法や予防法が利用できない。