毒性のないLPS
100年以上の歴史のあるLPS研究の中で、異彩を放つLPSが1983年に発表されました。それが、光合成細菌のLPSです。1892年に内毒素として発見されてから91年後に、ドイツのガラノス博士らのグループが光合成細菌から毒性のないLPSを発見しました。
病気の治療に役立つLPSを求めて、様々なグラム陰性菌を調べてゆくうちに、グラム陰性菌の一種である光合成細菌にたどりついたと考えられます。
1991年、光合成細菌から採取されたLPSが、当時「内毒素」と呼ばれていたLPSの毒性を打ち消す可能性があることを、ドイツのクルツ博士らのグループが発見し、発表しました。
1995年には、光合成細菌から採取されたLPSが、「内毒素」としてのLPSが引き起こす敗血症に対する医薬品候補になると発表しました。残念ながら医薬品としては、未だに製品化されていません。