健康を守る成分LPS

LPSはリポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)の略で、「糖脂質」、「内毒素」、「エンドトキシン」など、別名がたくさんありますが、通常は「リポ多糖」と呼ばれます。

近年では健康を守ってくれる成分として大きな注目を集めており、光合成細菌と縁が深い物質でもあります。
※【LPSについて】もご覧ください。

研究の進展

LPSの成分についての研究が進んだことで、化学物質としての特徴だけでなく、免疫力を活性化するため、がんの生長を抑える働きがあるということがわかってきました。
1980年代から1990年代にかけて、数多くのLPS研究の成果が蓄積され、それまでの成果をまとめた本が出るようになりました。それらの本には日本人の研究者の名前が多数載っています。日本人がLPS研究の発展に貢献していたことが分かりますね。

がん細胞から人を守るLPS

大阪大学の事例

大阪大学の「芝 哲夫」博士と「楠本 正一」博士は、1985年にLPSの合成に成功し、リピドAと呼ばれるLPSの脂肪の部分が免疫系を活性化させることを突き止め、LPSの構造と免疫活性の関係について重要な業績を残しました。
同じ大阪大学の免疫学フロンティアセンターの「審良 静男(あきらしずお)」博士は、免疫細胞が異物を感知するセンサーの役割をしている「レセプター」というタンパク質遺伝子の働きや、微生物の成分(LPSなど)を感知した後の、免疫細胞の連携の仕組みを明らかにしました。

人々の健康を願って

「ブルース・ボイトラー」博士と「ジュール・ホフマン」博士が自然免疫についての研究成果で、「ラルフ・スタインマン」博士が樹状細胞についての研究成果で、2011年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
このころ、LPSは樹状細胞をはじめとする自然免疫を活性化することなどが明らかにされ、一躍脚光を浴びました。

長い年月を経て、LPS免疫の働きを高める成分として、人々の健康を支える希望の成分として注目され、さらに活発な研究活動が続けられているのです。

ノーベル賞もたくさん!
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