プラスチックは石油から作られており、合成樹脂ともよばれます。他の素材とくらべ、軽くて丈夫で加工もしやすく、身の回りの様々な製品、特にお弁当などの容器や包装袋などで幅広く使われています。では、こんな便利なプラスチックが、今どうして問題になっているのか?それを解き明かしていきましょう。
世界のプラスチック事情
世界のプラスチック生産量は毎年増加していて、年間で約3.8億トンにもなります。そして、その約80%がゴミとして出され、埋め立てや海などへ廃棄されていると言われています。
ごみの問題
プラスチックが自然界に流出すると、とても厄介な存在になります。もともと自然界には、物を分解して無毒化するというシステムが備わっていますが、プラスチックは人工の物であり、分解されにくいという特徴があるからです。
マイクロプラスチック
大きさが5mm以下のプラスチックを「マイクロプラスチック」と呼びます。マイクロプラスチックは、大きく2種類に分けられます。
1次的マイクロプラスチック
ごみになる前から小さいもの。プラスチック製品の原料である「ペレット」や、洗顔料や化粧品などに含まれる「マイクロビーズ」のことをいいます。
2次的マイクロプラスチック
もともとは大きなサイズのプラスチック製品が、自然環境の中で砕け、細かくなって、マイクロプラスチックとなったものをいいます。
マイクロプラスチックの脅威
小さな魚が食べ、それを大きな魚が食べ、それを人や鳥などが食べます。その体内でマイクロプラスチックは、消化も分解もされずにたまっていきます。例えば胃にたまると、食べたくてもお腹が空かず、食べても消化を妨げるなどで、病気になったり、亡くなったりする原因になります。(環境ホルモンという化学物質の影響も無視できません)
微生物の力
海に流出したマイクロプラスチックを回収することは、ほぼ不可能と言われています。そこで近年、さまざまな国で、微生物が物を分解する力を利用して、プラスチックを無害化する方法が研究されています。プラスチックを分解する「酵素」やプラスチックを食べる「微生物」などが一部見つかっていますが、まだまだ実用化には時間がかかりそうです。