人にもいろんな人種があるように、光合成細菌にもいろいろな種類が存在します。光合成細菌は、遺伝子解析が発達していなかった1970年代ごろまでは、色や形など見た目によって4つに分類されていました。

4つの分類

細菌の色や形などの見た目と、エネルギー源などをもとに名前が付けられていました。

紅色硫黄細菌(こうしょくいおうさいきん)

見た目が赤色で「紅色」、生きてゆくために硫黄成分が必要なので「硫黄」。
紅色+硫黄で紅色硫黄細菌と名付けられています。

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紅色非硫黄細菌(こうしょくひいおうさいきん)

見た目が赤色で「紅色」、生きてゆくために硫黄成分が要らないので「非硫黄」。
紅色+非硫黄で紅色非硫黄細菌と名付けられています。同じ紅色の菌として、紅色硫黄細菌がいるので、それと区別するためでもあります。

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緑色硫黄細菌(りょくしょくいおうさいきん)

見た目が緑色で「緑色」、生きてゆくために硫黄成分が必要なので「硫黄」。
緑色+硫黄で緑色硫黄細菌と名付けられています。

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滑走性緑色硫黄細菌(かっそうせいりょくしょくいおうさいきん)

活動的でよく動くので「滑走性」、見た目が緑色で「緑色」、生きてゆくために硫黄成分が必要なので「硫黄」。滑走性+緑色+硫黄で滑走性緑色硫黄細菌と名付けられています。

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紅色細菌(こうしょくさいきん)

紅色硫黄細菌と紅色非硫黄細菌をまとめて、紅色細菌と呼ぶことがあります。

近年の分類(1980年以降)

1980年代になり、16S rRNAによる分類が主流になってきたことにより、もともとの分類の仕方とはことなり、「遺伝子解析を元につけられた学名」に、ちなんだ名前で分類されるようになりました。例えば、次のようなものです。

1980年以降の分類の変化

ヘリオバクテリア

学名:Heliobacteria/ヘリオバクテリア

クロロフレクサス

学名:Chloroflexi/クロロフレクスス

分類学の進歩

現在、第二世代の分類と呼ばれる16S rRNA解析法の出現により、分類学は大変革と言えるほど劇的に進歩しました。そのことで、元の名前や分類方法が変わった細菌も多く、分類の仕方も多種・多様になっています。

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